猫が大好きなオヤツといえばチュールです。食いつきが良いため、一度食べると病みつきなって催促する猫もいますよね。
しかし、チュールを猫に与えるのは危険という声もあります。チュールは猫の体に悪いのか、食べさせるときの注意点や豆知識も知っておきましょう。
チュールが猫にとって危険だといわれている理由
チュールが猫に危険といわれる理由は、塩分が多い、添加物が含まれている、依存性があるとされているからです。
では、噂は本当なのかそれぞれ説明します。
①塩分が多い
チュールは塩分が多いと噂されていますが、他のオヤツと比較して、塩分が多いわけではありません。塩分量は1本につき0.07gほどとなっており、数字上では特に問題はありません。
ただし、ドライフードやウェットフードなどのキャットフードにも塩分が含まれています。
塩分は必ずしも悪いものではありませんし、猫にとって必要な成分です。しかし、主食にも塩分が含まれていますから、チュールを食べさせることで、過剰摂取となってしまうことがあります。
人間が塩分を摂りすぎてしまうと健康を害するのと同じことです。
チュールを猫に食べさせ続けることで、腎臓病や尿路結石などの病気を発症するリスクが高くなるといえます。
②添加物が入っている
チュールには、増粘剤や増粘多糖類、調味料、紅麹色素などの添加物が含まれています。これらの添加物は、粘り気を出すため、食いつきを良くするためなどの理由で配合されています。
無添加にこだわる人もいますが、すべての添加物が体に悪いわけではありません。チュールは無添加ではありませんが、「猫に食べさせると危険」と断言するほど、悪い添加物は含まれていません。
ただし、データが少なくてどのような影響があるか分からない添加物や、アレルギーの原因になりえる添加物が入っているのも事実です。
③依存性が心配
「チュールを見ると凶暴化する」「チュールを食べさせると猫が狂うように夢中になった」などの声もあるほど、チュールには依存性があります。
チュールには配合成分の中にマタタビが含まれているのではと考える人もいますが、マタタビは入っていません。
食いつきが良い理由は、配合されている添加物が原因ではないかといわれています。
例えば、チュールのなかには、添加物の中の1つである「調味料(アミノ酸等)」が配合されているものもあります。
これは、かつお節などに含まれるうま味成分を化学的に抽出・合成したものなので、猫が好む可能性が高いと言えます。
猫は人間と比べて嗅覚器官が高度に発達しており、嗅覚で食べ物を選びます。
犬と猫の嗅覚器官は高度に発達しており、においは食物を摂取するか否かを選択する上で極めて重要である。また、猫はアミノ酸とペプチドを嗅ぎ分ける極めて特殊な嗅覚を持つ。
ー犬と猫の嗜好性
チュールは猫好みの匂いがするのでしょう。
しかし、そのぶん依存性があり、キャットフードを食べなくなる、チュールが食べられるまで猫が狂うように鳴くなどのケースもあります。
チュールは危険ではないけど・・人間でいうとお菓子のようなもの!猫に与えるときの注意点
チュールは危険なのものではありませんが、人間でいうと、スナック菓子やスイーツなどのお菓子のようなものです。人間がお菓子ばかり食べるのは体に悪いのと同じで、チュールばかり食べていると猫の体に悪いですよ。
では、猫に与えるときに特に気をつけておくべき注意点を3つ見ていきましょう。
①猫の年齢や健康状態を考慮する
チュールは、絶対に食べてはいけないほど猫の体に悪いわけではありませんが、猫の状態にもよります。病気を患っている猫、高齢猫、まだ成長過程の子猫などは、なるべく与えないでおきましょう。
病気を患っている猫の場合、塩分の摂取量が多くなり、病気を悪化させる原因にもなります。
高齢猫は体の機能や免疫が衰えてきているため負担が大きいです。子猫は栄養が必要な時期ですし、子猫の頃からチュールを与えていると、より依存性が高くなったり病気を引き起こしたりする可能性が高くなります。
あくまでも、健康な猫に与えるオヤツだと考えましょう。
②与える頻度や量を考える
チュールの製造元である「いなばペットフード」の公式HPには、1日4本までと記載されていますが、少なければ少ないほど良いです。猫の健康を考えるのであれば、毎日与えるのは止めましょう。
一般的な猫ちゃんの1日に必要なエネルギー量の20%を上回る事の無い様に1日4本としております。
ーCIAOちゅ〜る公式HP
チュールは人間でいうとお菓子のようなものですから、食べなくて済むのであれば、わざわざ与える必要はありません。チュールには塩分が含まれているため、食べすぎると猫の腎臓や心臓に負担をかけてしまいます。
とくに腎臓系の病気は、猫がかかりやすい病気の1つです。腎臓病は完治しないとされていますし、腎臓機能が低下すると回復することが難しく、現状維持させていくことしかできません。
チュールが直接、猫の腎臓病を引き起こすわけではありませんが、原因の1つにもなるということです。猫の体に問題がおきてから後悔しても遅いので、チュールを与える頻度や量はしっかりと考えてあげましょう。
③毎日のオヤツではなくご褒美として与える
チュールは、猫に必須のオヤツではありませんから、ご褒美などの限定的なときに食べさせてあげましょう。
チュールは、成分にマタタビが含まれていると勘違いするほど依存性があります。習慣化してしまうと、チュールをもらえないと凶暴化する、キャットフードを食べずにチュールばかり食べるという事態にもなりかねません。
爪を切ったあとのご褒美、誤って尻尾を踏んでしまったときのお詫び、来客があってストレスを与えてしまった時など。特別な場合にあげるようにすれば、猫の健康を害することなく、猫との関係もより良くなるかもしれません。
チュールは危険ではないけど、できるだけ猫の健康に気を配ろう!与えるときの豆知識
愛猫には、少しでも長く健康でいてほしいですよね。飼い主しか猫の健康を気遣ってあげることはできませんから、チュールを与えるときの豆知識を実践してみましょう。
①健康志向のチュールもある
チュールは現在80種類以上あります。猫用のチュールには、無添加、グレインフリー、総合栄養食、動物病院専用など、健康に気を配っている商品もあるので、できるだけ猫に適したものを選びましょう。
「ピュアチュール」は、猫用の他のチュールと比べても添加物が少なく、完全に無添加ではないものの健康的です。塩分は含まれていますが、穀物は使用していないため、穀物アレルギーの猫でも安心。
ただし、添加物が少ないぶん食いつきが落ちることもあります。チュール好きの猫は狂うように催促することもありますが、健康志向のチュールだと無反応になる場合も。
猫によって好き嫌いがあるので、健康的で好みに合う一品を探してみましょう。
②フードを食べないときは食欲増進剤として与えてみる
食欲がなくてキャットフードを食べないとき、仕方なくチュールを与えることがありますよね。チュールは適切に与えれば、猫にとって危険なものではありません。
しかし、あまり与えたくないのであれば、食用増進剤として使ってみましょう。猫の鼻先に少しチュールを付けてみる、少しだけ舐めさせてみる、キャットフードにトッピングするなど。
チュールは香りが強いため、嗅ぐと食欲が出てくることがあります。チュールの塩分、猫の腎臓や心臓の健康などが気になる人は、食欲アップ用としてうまく使うと良いでしょう。
③水を混ぜて塩分を薄める
少しでも猫への危険性を減らしたいのであれば、水を混ぜて薄めてから与えましょう。チュールにはいくつもの種類がありますが、基本的にどのチュールにも塩分が含まれています。
水を混ぜれば塩分濃度を下げることができますし、水を多く摂ることで尿が出やすくなって塩分を排出しやすくなります。
猫は水分を多くとればとるほど、下部尿路疾患などのリスクが低くなるとも言われています。
水分摂取量が多くなれば利尿および尿の希釈を促すため、ストルバイト結晶の溶解度が高くなり結晶化する可能性は低くなることが考えられる。
ーネコの水分摂取量と尿量・尿比重値に関する研究
また、水を混ぜればかさましすることができ、与えるチュールの量を減らすこともできますよ。
チュールが猫に及ぼす危険性を減らしたいのであれば、水を混ぜてみましょう。どの程度水を混ぜるのかは好みなので、調整していくようにしてください。
猫にチュールは危険?人間でいうと何?【まとめ】
チュールは猫に食べさせてはいけないほど危険なオヤツではありません。
しかし、栄養価が高いわけではなく、健康的なメリットもありませんから、無理に食べさせる必要もありません。
あくまでもチュールは人間でいうとお菓子のようなものだと覚えておき、頻度や量を考えて与えるようにしてください。猫は自制することはできませんから、飼い主がしっかりと判断してあげましょう。
オヤツよりも、毎日の食事で必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
食いつきのよい、高品質なキャットフードは↓こちらにまとめてありますので、参考にしてくださいね。