猫の1歳は、人間の16歳ほどだといわれています。
3歳で28歳、5歳で36歳と、人間よりも早いスピードで成長していくので、寿命が気になりますよね。
参考:https://mag.npf.co.jp/cat/2324/
猫の寿命は近年伸びていますが、平均寿命は生活環境や種類によっても異なります。
長生きする猫の特徴や、寿命が伸びるとされる方法を紹介していくので、愛猫のために実践してみましょう。
猫の平均寿命は、環境や条件によっても異なる
平均寿命はあくまで平均ですし、人間と同じで、生活環境や食生活によって寿命が異なります。
では、室内猫や野良猫、種類ごとの違いを見ておきましょう。
一般家庭で飼われている猫の平均寿命
※ペットフード協会の調査(https://petfood.or.jp/data/chart2023/3.pdf)より引用
一般家庭で飼われている2023年の猫の平均寿命は、15.79歳です。
キャットフードの品質向上、医療の発展、完全室内飼いが増えたことなどにより、猫の平均寿命は少しずつ伸びているとされ、2010年と比べると1.43歳伸びています。
ただし、平均寿命はあくまでも平均のため、20年以上生きる猫もいれば、ごくまれに30年以上生きる猫もいます。
猫の最長寿記録は38歳と3日で、人間年齢に換算するとなんと170歳。アメリカの家庭で飼われていたクリーム・パフちゃんという名前の女の子の猫で、ギネスに認定されています。
室内猫は外に出る猫よりも寿命が長くなりやすい
室内猫は安全な環境にいるため、寿命が長くなりやすいです。
室内猫の平均寿命は16.25歳、外に出る猫の平均寿命は14.18歳。また、野良猫の寿命は3~5年ほどといわれています。
室内猫、外に出る猫、野良猫の寿命の差は、生活する環境の違い。
家から出ない猫の場合、外で事故に巻き込まれることがありません。野良猫と接触したりケンカをしたりすることもないため、怪我や感染症のリスクも少なくなります。
猫エイズや猫白血病は伝染病のため、感染している猫と接触すると発病することがあります。特定の病気に感染していなくても、口や爪での攻撃を受けたときに、細菌に感染してしまうことも。
室内猫は外に出る猫と比べて、事故や怪我、感染症などのリスクが少ないことから、必然的に寿命が長くなりやすいです。
猫の平均寿命は種類によって差がある
決められた品種をかけあわせて生まれた猫は純血種、さまざまな品種をかけ合わせて生まれた猫は雑種に分類されます。
猫の寿命は種類によって異なっており、純血種の中では、ラグドールやペルシャは寿命が長いことで有名。
しかし、純血種は同じ品種をかけ合わせるため、スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症など、血統特有の疾患が現れることがあります。
一方、雑種の猫は純血種よりも長生きしやすいとされます。雑種の猫は、様々な遺伝子を受け継いでいるため、特有の疾患を打ち消すことで強い体になるといわれています。
純血種にも雑種にもいますが、同じく遺伝的な要因でなる「かぎしっぽ」は、疾患ではないですし、寿命が短いわけではありません。
あくまで、遺伝疾患を受け継いだ場合に、寿命が短くなることがあると考えましょう。
20歳を超える猫の割合はごくわずか
猫の寿命は長くなってきていますが、20歳を超える猫はわずかです。
一般家庭で飼われている猫のうち、16歳以上は7.1%と、そこまで少なくはありません。しかし、20歳以上は全体の1~2%といわれており、とたんに割合が減ります。
そもそも猫は、19歳を超えることがひとつの難関とされます。猫の19歳は人間の92歳であり、いくら動物医療やキャットフードが進歩したといっても、楽に超えられるような年齢ではありません。
高齢猫は、病気にかかりやすいうえに重篤になりやすく、体力的に手術ができないこともあります。そういった理由もあり、19歳を超える割合がガクンと減ることから「19歳の壁」といわれています。
長生きする猫には特徴がある!猫の寿命を伸ばす方法4選
長生きする猫にはいくつかの特徴があります。もちろん実践すれば必ず寿命が伸びるわけではありませんが、長生きする可能性が高くなります。では、猫の寿命を伸ばす方法とともに見ていきましょう。
①バランスの良い食生活を送っている
バランスの良い食生活は、寿命を伸ばすうえでプラスになることはあっても、マイナスになることはありません。猫の食事を選ぶときはこういったことに気をつけましょう。
・総合栄養食を与える
・できるだけ良質な素材を使っているフードを与える
・添加物やアレルギーに配慮する
・猫のライフステージに合わせて食事を選ぶ
「これを食べると長生きする」といった、猫が長生きする絶対的な食べ物は存在しませんが、唯一あるとすれば総合栄養食です。総合栄養食は、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミンなど、猫に必要な栄養がすべて配合されているので毎日与えましょう。
また、年齢や病気の有無などによっても適切な栄養がかわるため、ライフステージに合わせて選ぶことが大事。愛猫の体に合わせてバランスの良い食事を与えることは、寿命を伸ばすうえでも重要です。
②適度に運動をしている
運動することは長生きの秘訣の1つです。肥満やストレス、関節機能の低下防止にも繋がるため、こういったことを意識しましょう。
・運動できるスペースを作る
・短時間でも良いので毎日遊んであげる
・自分で遊べるオモチャやキャットタワーを準備する
・年齢に合わせた運動をさせる
1回10分、1日2回ほど遊んであげるのがベストだといわれています。忙しくて遊ぶ時間がないこともあるため、自分で遊べるようにオモチャなどを準備してあげましょう。
また、家具で段差を作ったり、配置を工夫したりして、普段から体を動かせるようにしておくのもおすすめ。高齢猫に無理をさせるのは良くありませんから、年齢や状態に合わせて体を動かせる環境を作ってあげてくださいね。
③ストレスが少ない生活を送っている
猫はもともと単独で生きる動物のため、誰かと同居することにストレスを感じやすいです。ストレスに弱い動物なので、こういったことを意識しましょう。
・安心できる環境を整える
・構いすぎないようにする
・猫が好む猫砂やお皿を使う
・トイレ掃除を小まめにする
・来客や騒音に気をつける
猫がストレスを溜めてしまうと、食欲不振、嘔吐、下痢などを引き起こすことがあります。胃腸炎、膀胱炎、猫伝染性腹膜炎などはストレスが関係するといわれますし、病気の原因にもなります。
人間もストレスで寿命が短くなるとされていますし、ストレスは万病のもと。猫にとってもストレスは大敵なので、安心できる環境を整えてあげましょう。
④自己判断せず動物病院の診断を受けている
「きっと大丈夫だろう」と自己判断せず、何かあれば動物病院に連れて行きましょう。病気の早期発見にも繋がるため、こういったことに気を付けてください。
・気になることがあれば診察を受ける
・猫のことをよく観察する
・定期的に健康診断を受ける
猫は体調が悪くても隠そうとするため、明らかに体調がおかしいときは病状が進んでしまっていることがあります。いつもと違う行動をする、様子がおかしいときは動物病院に連れて行くようにしてください。
猫の異変に気付くためには、日頃から猫の様子をしっかり観察することが大事。食事や水の量、寝る時間、排泄など、行動パターンや状態を把握したり、撫でながら腫瘍やしこりがないかを確認したりしてください。
健康診断は、子猫や成猫は1年に1回、高齢猫は半年に1回のペースが推奨されています。早く発見できれば回復する可能性が高くなるため、定期的に受診しましょう。
猫の寿命は何歳?猫の寿命を伸ばす方法は?【まとめ】
もともとの体の強さもありますが、長生きする猫は、健康的で快適な生活を送っていることが多いです。バランスの良い食事、適度な運動、ストレス解消を心がけ、何かあれば病院に連れて行きましょう。
猫の寿命を伸ばす方法は、基本的には人間と同じです。ただし、猫は人間と違って喋ることができないので、飼い主が注意深く観察して異変に気付いてあげてくださいね。