愛猫の健康を守るためには、高品質なキャットフードを与えることが大切です。
しかし、残念ながら市販のキャットフードには、買わないほうがいい、安全性に懸念のある原材料を使用したものも存在します。
そこで、今回は注意が必要な原材料について詳しく解説していきます。
キャットフードにお悩みの飼い主さんは、ぜひ最後までご覧ください。
【参考記事】
>>【獣医師監修】キャットフードおすすめ12選|安全な猫の餌の選び方。
買わない方がいいキャットフードには「注意が必要な原材料」が含まれている。
買わない方がいいキャットフードに含まれている「注意が必要な原材料」には、以下のようなものがあげられます。
・肉副産物
・○○ミール
・酸化防止剤
・香料・着色料
・動物性油脂
これらの原材料は、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。猫の健康を守るためには、これらの原材料が含まれているキャットフードは避けるようにしましょう。
注意が必要な原材料①肉副産物
キャットフードには、肉副産物が含まれることがありますが、その内容や品質には注意が必要です。
肉副産物とは、「可食部分を取って残った、毛・角・歯・蹄以外の内臓を含むもの」です。
人間にとっては食べ物として扱われることのない部分ですが、猫にとっては、良質な栄養源となる場合もあります。
そのため、猫にとってすべての肉副産物が悪いとは言えません。
ただし、使用されている動物の状態については懸念があります。
一方、AAFCO(米国飼料検査官協会)の規定では、使用できる肉の部位は決められていますが、動物の状態については決まりがありません。
つまり、病気の動物や死亡した動物が使用される可能性が残るのです。
このような状態ですから、一概に「肉副産物は危険だ」とは言い切れませんし、安全だとも断言できません。
したがって、できるだけ肉副産物が配合されたキャットフードは、買わないようにするのが良いでしょう。
注意が必要な原材料②○○ミール
ミールとは、肉や魚、骨を粉状にしたもので、肉骨粉とも表示されることもあります。
ミールには、ミートミールや家禽ミールなどのような使用されている動物がはっきりとわからないものも含まれます。また、どんな動物が使用されているのかわからない場合もあることから、安全性が疑問視されることも多いです。
一般的にミールは高温で処理されるので、風味が悪くなりがちです。そのため、食いつきをよくする目的で、香料などの添加物が使用されることも多いとされます。
また、ミールは酸化しやすいため、酸化防止剤が欠かせません。
とくに、フィッシュミールは酸化による発火の危険性があるため、船舶での輸出入の際は国際協定により酸化防止剤の使用が義務づけられています。
フィッシュミールによく使われるエトキシキンは安価な反面、危険性も指摘されている酸化防止剤です。
ミールを使用したフードを与えることで、知らず知らずのうちに、添加物を摂取させている可能性があります。
注意が必要な原材料③人工の酸化防止剤
酸化防止剤には、天然のものと人工のものがあります。問題視されている酸化防止剤は人工のもので、
おもなものは以下の4つです。
・BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
・BHT(シブチルヒドロキシトルエン)
・エトキシキン
・没食子酸プロピル
これらの酸化防止剤のなかには、発ガン性やDNAの突然変異が指摘されているものもあるため注意が必要です。
危険性があるのにどうして使うのか?という意見もあるかもしれませんが、キャットフードにとって酸化は大敵です。キャットフードは酸化すると風味が落ちて食いつきが悪くなります。また、健康にも問題が生じる可能性があると言われています。そのため、酸化防止剤をまったく使わないというわけにもいかないのです。
安全性を重視するならば、天然由来の酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロールなど)が使用されているフードをおすすめします。
注意が必要な原材料④香料・着色料
安いキャットフードのなかには、着色料・香料が使用されているものがあります。キャットフードに着色料や香料が使用されるのは、見た目や匂いを良くするためです。素材の品質や見た目の悪さをごまかすためだとも言われています。
しかし、香料や着色料は猫にとって不要な添加物です。猫が食べるかどうかを決めるのは見た目ではなく匂いです。着色料にいたっては、色をほとんど判別できない猫にとってはまったく意味がなく、使用目的は人間の購買意欲を掻き立てるためだと言われています。
また、香料や着色料には、発がん性が指摘されているものもあります。
猫にとって、香料も着色料もなくても問題になることはありません。
食の安全や健康を考えると、むしろないほうが良いと言えるでしょう。
注意が必要な原材料⑤動物性油脂
動物性油脂は、動物の脂肪組織から抽出された油脂のことを指します。油脂はドライフードの粒の形成に欠かせない原材料です。
肉食動物の猫は動物性油脂を好みます。しかし、キャットフードの原材料としては粗悪素材と見なされることもあります。
と言うのは、事故で死んだ動物、障害や病気のある動物が使われている可能性がゼロではないからです。
もちろん、すべての動物性油脂が危険なわけではありません。
しかし、注意したほうがいい素材であることは間違いないでしょう。
動物性油脂が配合されているキャットフードは、できるだけ買わないことをおすすめします。
穀物が多いキャットフードは、買わない方がいい。
安価なキャットフードの中には、穀物が大量に使われていたり、下手をすると穀物が主原料だったりするものがあります。
ところが、猫は肉食動物なので炭水化物はそれほど多く必要としません。また、穀物に含まれるでんぷんを消化するのも苦手です。
穀物の多いキャットフードは猫の胃腸に負担をかけてしまい、下痢や嘔吐の原因になると言われています。さらには肥満や糖尿病などの健康上のリスクを高める可能性もあるのです。そのため、キャットフードの炭水化物の含有量は、40%程度以下に抑えるのが理想と言えます。
穀物を使っていないキャットフード(グレインフリーのキャットフード)でも炭水化物の含有量が高いものもありますので注意してください。猫の健康を考えるなら、主原料が肉や魚のキャットフードを選ぶのがおすすめです。
ちなみに、キャットフードの炭水化物については表示義務がないため、ほとんどのキャットフードのパッケージには炭水化物の含有量は書かれていません。そのため、以下の式を使って計算します。
100-(タンパク質+脂肪+繊維+灰分+水分)=炭水化物(%)
買わない方がいいキャットフードを見極めるには、こんな点にもご注意!
キャットフード選びでは原材料の安全性を考慮しつつ、さらに以下の点にも注意すると良いでしょう。
・ウェットフードの種類を確認
・健康な猫に療法食はNG
・安価すぎるフードには秘密がある
ウェットフードは総合栄養食と書かれているものを選ぶ
キャットフードには「総合栄養食、一般食、間食」などの種類があります。これらは与える目的によってわけられています。
このなかで、毎日の食事として推奨されるのは、必要な栄養素がすべて含まれている「総合栄養食」です。
しかし、ウェットフードの多くは「一般食」です。これは、人間の食事に例えると「おかず」のような位置づけのものです。そのため、一般食だけでは猫にとって必要な栄養素を十分に満たすことができないのです。
ウェットフードを主食として与える場合は、かならず「総合栄養食」と書かれているものを選ぶようにしましょう。
療法食を予防目的で与えるのはNG
療法食は、病気の治療や症状の緩和などを目的に与えられる特別な食事です。特定の病気に対応するために、たとえば脂質をギリギリの量まで減らすなど、極端な栄養バランスになっているものもあります。つまり、健康な猫にとっては栄養バランスが偏った食事となるのです。
本来必要な栄養が不足していたり、逆に多すぎたりするのですから、体にいいはずはありません。
そのため、療法食は獣医師の指導のもとで経過を観察しながら与えることが前提になっているのです。
値段が安すぎのキャットフードに注意
安いキャットフードを与えているからといって、長生きできないと言いきることはできません。しかし、安いキャットフードにはそれなりの理由があることを知っておきましょう。
・動物性たんぱく質が少ない
・穀物を大量に使用している
・好ましくない酸化防止剤が使用されている
・4Dミートなど粗悪な肉が使用されている
・香料や着色料などの合成添加物が含まれている
値段が安いということは、高品質な原材料を使用することはできません。ですから、品質はもちろん安全性などに懸念のある原材料が使われている可能性があります。
安いキャットフードがすべて悪いとは言えませんが、安すぎるものには注意をした方が良いでしょう。
買わない方がいいキャットフード【まとめ】
ひとことにキャットフードと言っても、商品によって品質も安全性の高さに大きな差があります。愛猫には少しでも安心して食べさせられるものを与えたいと思うのが飼い主さんの気持ちだと思います。
猫の健康を守るためには、良質なキャットフードを与えることが大切です。
買わない方がいいキャットフードを避け、良質なキャットフードを選ぶポイントは、以下の3つです。
・肉や魚などの良質なタンパク質が含まれていること
・保存料や添加物が少ないこと
・栄養バランスが整っていること
これらのポイントを参考にし、愛猫にとって良いキャットフードを選んであげましょう。
安全な、本当に良いキャットフードの選び方については、↓こちらの記事で解説しています。