2025.10.17
猫の顎ニキビの原因と治し方は?拭き方も確認!

猫の顎や口周りにできた黒いブツブツの正体は顎ニキビです。
ニキビができる仕組みそのものは人間のニキビと似ていますが、原因や発生しやすい箇所などは違います。
では、猫の顎ニキビの原因や治し方、日頃からできる対策方法などを見ておきましょう。
猫に顎ニキビができる原因

猫に顎ニキビができる主な原因は、毛穴の細菌感染や炎症などです。
皮脂が多くなったり汚れが付いたりすることで毛穴が詰まり、細菌感染や炎症を起こし、黒いブツブツや赤みが目立つようになるという流れ。
どの猫でも顎ニキビができることがありますが、ホルモンバランスが乱れると皮脂の分泌が多くなってニキビができやすくなります。
とくに、生後6ヵ月~2歳ごろの若い猫はホルモンバランスが乱れやすく、去勢や避妊手術を受けてない猫もホルモンの影響を受けやすいので注意が必要。
また、老化やストレスなどで免疫力が低下すると抵抗力が落ち、顎ニキビができやすくなります。
顎にニキビができやすい理由

猫のニキビは顎だけにできるわけではありません。
しかし、以下のような理由から他の箇所よりも顎にできやすいとされます。
顎は皮脂腺が多い
猫の顎周辺には皮脂腺が多くあるため、他の箇所よりも皮脂が多くなりやすいです。
皮脂は体に必要なものですが、多すぎると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなります。
人間でいうと、額から顎にかけてのTゾーンのようなものです。Tゾーンは皮脂腺が多いため、皮脂が過剰分泌しやすくニキビができやすい箇所。
猫の場合は、顎・尻尾の付け根・背中辺りに皮脂腺が多くあるため、顎は猫にとってニキビができやすい箇所のひとつです。
顎は汚れやすく清潔にしにくい
猫の顎は位置的な問題もあり、汚れが付きやすく清潔さを保ちにくいです。
猫は食事をするときに器に顔を突っ込むため、キャットフードの食べかすや器の雑菌などが顎に付着しやすいです。
猫はキレイ好きですし、定期的に自分でグルーミングをして体を清潔にしています。
唾液には殺菌成分が含まれており、ザラザラの舌で舐めることで、汚れを取ったり感染症を防いだりしています。
しかし、顎は自分で舐められず、前足で拭く程度しかできません。
どうしても顎は食事の際に汚れやすく、位置的にキレイにしにくいため、雑菌などが繁殖してニキビができやすいです。
猫の顎ニキビのケア方法や治し方

猫に顎ニキビができたときは、拭いてキレイにするのが基本です。
しかし、症状によっては家ではケアできず、動物病院に行く必要があるので、愛猫に合った方法で治してあげましょう。
ぬるま湯で拭いて清潔にする
顎ニキビの量が少なくて範囲が狭いときは、毎日ぬるま湯で拭くだけで治ることもあるので、忘れないようにケアしましょう。
用意するものは、38度ほどのぬるま湯、コットン、清潔なタオルの3点。
まずはコットンをぬるま湯につけて湿らせ、愛猫の顎周辺を優しく拭きましょう。
無理に黒いブツブツを取らなくていいので、毛並に沿って撫でるように拭いてあげてください。
濡れたままだと菌が繁殖しやすくなるため、乾いた清潔なタオルで拭きとってあげましょう。
回数は1日1~2回程度で、食事のあとに拭いてあげると食べカスが残りにくいです。
食器を見直す
使っている食器によってはニキビの原因になるので、一度見直してみましょう。
とくに注意したいのがプラスチック素材の器。
表面が柔らかいので傷が付きやすく、できた傷の隙間に雑菌が繁殖しやすいです。
静電気も発生しやすいため、周りのホコリなどを引き寄せてしまうことも。
器が原因で猫に顎ニキビができる場合は、そのまま使い続けると治らないばかりか悪化する可能性があります。
愛猫の好みに合わせつつ、ガラス・陶器・ステンレスなどの雑菌が繁殖しにくい素材に替えましょう。
基本的に器は食事のたびに洗うようにし、気になるようであれば、熱湯をかけて消毒してください。
夏場は菌が繁殖しやすい時期なので、いつも以上に気を配りましょう。
動物病院に連れて行く
顎ニキビは大きく分けると、軽度・中度・重度の3つに分けられます。
なかなか治らないときや、中度以上の症状があるときは病院に行きましょう。
軽度は、黒いブツブツがあるものの肌にはほとんど異常がない状態。
中度になると、ブツブツの範囲が広がり、肌が炎症して赤みや腫れぼったさが目立ちます。
丘疹(きゅうしん)と呼ばれる膿の溜まったブツブツや、炎症してしこりができることも。
重度になるとさらに悪化し、広範囲が炎症したり膿ができたりし、ただれて出血したり腐敗臭のような強い臭いがしやすいです。
動物病院で治療するときは、洗浄と抗生剤入りの塗り薬を使うことが多いです。
その他、状態に合わせて、薬用シャンプー・消毒薬・内服薬などを使って治すので、獣医師の判断に任せましょう。
猫に顎ニキビができたときの注意点

最初は小さな顎ニキビでも、対処法を間違えると、痛みを感じたり悪化したりすることがあります。
ストレスを与えて体調不良を引き起こす原因にもなるので、いくつか注意しておきましょう。
放置しない
猫の顎ニキビは放置すると悪化しやすいので早めに対処しましょう。
主な原因は毛穴の細菌感染や炎症等なので、そのままにすると進行しやすいです。
最初は小さなニキビで痛みや違和感がなくても、悪化すると不快感や痛みを覚えることに。
気になって触ったり掻いたりするようになり、炎症や傷ができて感染が広がることがあります。
ストレスを感じたり、隠れて出てこなくなったり、食欲をなくしたりし、別の病気や疾患に繋がる可能性もあります。
対処が早いほど治りやすいので、最初に気付いた段階から日々キレイに拭いてあげましょう。
強くこすって拭かない
猫の顎ニキビを拭くときは強くこすらず、優しく撫でるようにしましょう。
人間もニキビがある部分をこすると痛いですし、炎症を起こして酷くなりやすいですが、それは猫の顎ニキビも同じです。
黒いブツブツを取ろうと爪や指、歯ブラシなどでこするのはNG。
炎症を起こすだけではなく、毛先が細い歯ブラシでこすると毛穴の奥まで汚れが入ることがあります。
優しく撫でて拭くだけだと黒いブツブツが取れないこともありますが、無理に取ろうとはせず、清潔さを保つことを重視しましょう。
黄色ワセリンを使わない
顎ニキビを拭くときにワセリンを使う方法もありますが、黄色ワセリンを使うのは止めましょう。
ワセリンを塗ると黒いブツブツが浮かび上がりやすくなるため、日々のケアとして使うことがあります。
使い方は、患部に少量のワセリンを塗って数分おいてから、ぬるま湯でふき取るだけ。
しかし、ワセリンには種類があり、どれでも使えるわけではありません。
一般的によく出回っている黄色ワセリンは、不純物が多く含まれているので猫に安全とはいえません。
猫に使うのであれば、猫用のワセリンや、白色ワセリンを使いましょう。
自己判断で市販薬を使わない
猫の顎ニキビに市販薬を使うときは獣医師に相談してください。
症状や状態はさまざまですし、副作用が起こらないとも限りません。
また、人間の薬を使うのも良くありません。猫のニキビは「座瘡(ざそう)」や「アクネ」とも呼ばれ、ニキビができる仕組みは人間と似ていますが、同じものではありません。
動物病院で診察を受けると、ゲンタシンが処方されることがあります。
ゲンタシンとは皮膚の治療に使われる人間用の薬。
手元にあったとしても自己判断で使用するのではなく、必ずかかりつけ医と相談して、用量・用法を守りましょう。
まとめ
猫の顎ニキビの主な原因は、汚れや皮脂などの詰まりによる毛穴の炎症等です。
清潔にすることが大事なので、ニキビを発見したら、毎日拭いてキレイにしてあげましょう。
肌に異常がある場合や治らないときは動物病院で診察を受け、適切な治療を行うようにしてください。
