2025.04.28
猫が白い泡を吐く原因は?病院に行くべき?
猫にとって吐くという行動は生理現象のひとつです。
一時的に吐くだけであればとくに問題はありませんが、トラブルや病気を抱えていることも。
猫が吐く白い泡の正体や原因、動物病院にいくべきかどうかチェックしておきましょう。
猫が白い泡を吐くよくある原因3選

猫が白い泡を吐く原因はいくつかあるため、その中からよくある3つを紹介していきます。
どんなときに吐いたのか、どんな嘔吐物なのかなど、愛猫に当てはめてみましょう。
空腹状態で吐いた
空腹状態が続くと胃液や胆汁を吐くことがあります。長時間お腹の中に食べ物が入ってこないため、胃液が溜まったり胃の機能が低下したりして、逆流している状態。
そのため、早朝や深夜など、食事をしてから時間が経ったときに吐くことが多いです。
猫が吐いた液体が白い泡や透明でネバネバしているのであれば、胃酸が逆流していると考えましょう。
黄土色で、ツンとくるような刺激臭がする液体を吐いたときは、胆汁の可能性が高いです。
また、透明で大量の液体や、水っぽい嘔吐物がでたときは、飲水を吐いたと考えられます。
空腹時に水を飲んでいると、胃酸や胆汁と一緒に水を吐くことがあります。
胃腸の調子が悪くて吐いた
胃腸に負担がかかったり、胃腸の働きが弱くなったりすると、白い泡状の胃液やフードを吐くことがあります。
胃腸がうまく働かない原因は、日常的なストレス、一時的な消化不良、病気や疾患によって胃腸の働きが弱くなっているなど、さまざま。
白い泡だけではなく餌をそのまま吐く場合は、食べ過ぎや早食い、フードが愛猫に合っていないなどが考えられます。
茶色のペーストや、固形物が混ざってドロドロした茶色の液体を吐いたときは、うまく消化できずに未消化の状態で吐いた可能性が高いです。
誤飲誤食で吐いた
おもちゃの破片や布、猫に有害なものなどを飲み込むと、嘔吐することがあります。
便で排出されることもありますが、胃に残ったり腸に詰まったりし、何度も嘔吐を繰り返すことも。
うまく出せないときは、吐くポーズを繰り返すものの何も出てこないという症状がみられやすいです。
有害なものを食べた場合は、下痢や呼吸困難、けいれんなど、中毒症状を起こすことがあるので注意。
愛猫が白い泡状のよだれを垂らしていないか確認しましょう。
猫は、リラックス状態や興奮状態になると、サラサラやネバネバした透明なよだれを垂らすことがあります。
一方、白い泡のよだれは、体に悪いものを誤飲誤食したとき、発作を起こしたときに見られやすく、消化器官や内臓などの疾患も考えられます。
猫が白い泡を吐いたとき、動物病院に連れて行くかの判断基準
猫が吐く白い泡は胃酸であることが多いですが、状況によっては動物病院に連れて行く必要があります。
愛猫をよく観察し、異常があればすぐに診察を受けましょう。
元気や食欲があるか
何か異常があるときは、元気や食欲に現れやすいです。
元気で食欲があるときは、ただ空腹で吐いている可能性が高いため、それほど心配する必要はありません。
同じような状態が続くのであれば、食事の間隔を短くしたり、食事の回数を増やしたりし、空腹にならないように対策しましょう。
対策しても改善しないのであれば、動物病院で診察を受けるようにしてください。
一方、猫が白い泡などを吐き、元気や食欲がないときは注意が必要。胃腸炎や腎臓病、腫瘍などの病気や疾患、誤飲誤食の可能性があるため、早めに診察を受けることをおすすめします。
何度も吐かないか
1日に3回以上吐く、3日続けて吐くなど、頻度が多いときは動物病院に連れて行きましょう。
元気であれば問題ないことが多いですが、何度も白い泡を吐く、嘔吐を繰り返すときは注意が必要です。
腎臓病などの病気や誤飲誤食の可能性がありますし、脱水症状を引き起こすこともあります。
脱水症状が重症化すると命に係わりますし、何度も頻繁に吐くときは、元気あるなしに関係なく診察を受けましょう。
嘔吐物に異常がないか
嘔吐物に異常があるときは、動物病院で診てもらいましょう。たとえば、異物が混ざっている、色がおかしい、変わった匂いがするなど。
猫が吐く白い泡の中に異物が入っているときは、誤飲誤食の可能性が高いです。
無事に吐き出しても消化気管を傷つけていることがありますし、一部を飲み込んで腸に詰まっていることもあります。
ピンク色の液体が混ざっているときは口内や体内の出血が考えられますし、黒や濃い茶色の液体も出血している可能性があります。
嘔吐物から便臭がするときは腸閉塞の可能性があるため、匂いを嗅いでみましょう。
色や臭い、形状など、嘔吐物に異常があれば念のために診察を受けると安心です。
猫が白い泡を吐く原因と対処方法【まとめ】
猫が白い泡を吐く原因は、空腹や胃腸の調子、誤飲誤食などさまざまです。
元気で食欲があるときは一過性のことが多いですが、長引くときは病気や疾患が原因のことも。
飼い主さんであれば異変に気付けるはずなので、よく観察して、動物病院に連れて行くかどうかを考えましょう。
診察を受けるときは、嘔吐物をラップやポリ袋などに入れて持参するとスムーズです。
監修者
獣医師 小川篤史
西明石こすもす動物診療所院長
(宮崎大学農学部獣医学科卒業・明石市獣医師会所属)
最初は別の道を選択するも、獣医になる夢を捨てきれず獣医学科を受験。
兵庫県加古川市の動物病院に勤務後、兵庫県明石市に「こすもす動物診療所」を開院。
犬や猫、小動物を中心に診療・予防医療を行う。