2025.03.03
「犬が下痢なのに元気で食欲があるのはなぜ?治す方法はある?」
下痢をしていてグッタリしているなら、具合が悪いのは明らかです。しかし、犬が下痢をしていても元気で食欲ありだと、体調が悪いのかどうか判断が難しいですよね。
下痢になる原因、元気で食欲がある理由、飼い主ができることや治す方法を見ていきましょう。
犬が下痢をする主な原因5選
犬が下痢をしたときのよくある原因は以下のとおりです。
●ストレス
●誤飲誤食
●病気や疾患
●寄生虫などの感染
下痢になる理由はさまざまですが、犬が下痢になっても元気や食欲ありなら一過性のことが多いです。
たとえば、胃腸が弱っている、食べ過ぎてしまった、ストレスが溜まっているなど。人間も同じような理由で一時的に下痢になることがありますが、それと同じです。
一方、有害なものを誤飲した、病気や寄生虫などが原因の場合は、下痢が長引くことが多いです。さらには食欲がなくなったり嘔吐したりと、他の症状もでやすいです。
下痢には、ある程度の形が残っている軟便、泥のような泥状便、水っぽい水様便などがあり、水分が多いほうが症状が重いとされます。いずれにしても、1回下痢をしただけ、1日もすれば元通りになったなどであれば、問題ないケースが多いです。
食欲ありで元気だけど下痢をする!動物病院に行く基準
犬が下痢をしても、元気で食欲がある場合はしばらく様子を見ても構いませんが、以下の場合は動物病院に連れて行きましょう。
何日も下痢が続いたり繰り返したりする
2~3日以上も愛犬の下痢が続く、治ったと思ったらまた下痢をするなどの場合は、動物病院に行くことをおすすめします。
単なる食べ過ぎ、おやつが体に合わなかった、来客がやってきてストレスが溜まったなど、一過性の下痢であれば、1~2日もあれば改善がみられやすいです。
しかし、何日も続く、繰り返すなどの場合は、病気や疾患、有害なものを誤飲した、食物アレルギー、腫瘍などの可能性があります。下痢になると水分を多く排出するため、長引くと脱水症状を引き起こすことも。
基本的には、元気で食欲があれば問題ないことが多いです。それでも、長引いたり繰り返したりするときは、原因を突き止めるためにも診察を受けると安心です。
血便や黒い便、タール便が出る
黒い色の血便や粘り気があるタール便がでる、血液量が多いなどであれば注意が必要です。
血便が出る理由は、胃や腸の炎症、肝臓や腎臓などの病気、ウイルス、肛門付近が切れているなど、さまざまです。
鮮やかな血が少々つく程度であれば、肛門付近が出血しており、排泄のときに便についたと考えられます。そのため、元気や食欲もある場合は、2~3日ほど様子を見ても構いません。
一方、黒い血便やタール便は、胃や食道などの上部消化管から出血していると考えられます。腫瘍や病気などの可能性があるため、食欲があっても検査を受けることをおすすめします。
下痢のほかにも症状がある
犬が下痢をしたときは、ほかの症状がないか注意深く観察しましょう。
健康な犬であれば、下痢をしても食欲ありなら問題ないことが多いですが、ほかの症状もある場合は状況が変わってきます。
たとえば、嘔吐・熱・うずくまる・ふるえ・腹鳴(おなかがキュルキュル鳴る)・いつもと様子が違うなど。
食欲があって元気そうに見えても、他の症状があれば問題が隠れている可能性があります。
下痢とともに嘔吐をする場合はより脱水症状を起こしやすくなりますし、気になる症状があれば早めに動物病院へ行きましょう。
子犬や老犬が下痢をする
子犬や老犬の場合、元気や食欲があったとしても、急に症状が悪化することがあります。
子犬はまだ成長段階のため、腸内環境が完全には整っていません。免疫力も未発達なので、感染症や疾患にかかりやすいとされます。
老犬は成犬と比べると、消化機能が衰えたり免疫力が低下したりしやすいです。感染症や病気にもかかりやすく、かかったときは重症化しやすいです。
免疫力や体力が少ないため、子犬や老犬が下痢をしたときは、元気あり食欲ありでも診察を受けましょう。
愛犬の下痢を予防しよう!日頃からできることと注意点
犬が下痢をする原因を突き止めるには動物病院に行くしかありませんが、一過性の下痢の場合は、普段の生活に気をつければ治ることもあります。
生活の中でできる予防方法や注意点を見ておきましょう。
胃腸に優しい食事を与える
胃腸に負担がかかるとうまく消化できずに下痢になりやすいので、胃腸に優しい食事を与えるようにしてください。
たとえば、ドッグフードをお湯でふやかす、消化吸収が良いフードに変えるなど。食べ過ぎは胃腸に負担をかけることになるので、与える量を守り、下痢ぎみのときは少し量を減らすなどします。1食くらい絶食させても良いでしょう。
また、食物繊維は便の固形化を促すため、食物繊維が入ったドッグフードに切り替えるという方法もあります。犬が下痢をしていても食欲ありなら、サツマイモ・キャベツ・かぼちゃなどの食物繊維が豊富な食材をおやつ代わりに与えるのもおすすめ。
ドッグフードを切り替えるときは、胃腸に負担をかけないためにも、割合を増やしながら7~10日ほどかけましょう。
なるべくストレスを与えない
ストレスを感じると、自律神経が乱れたり胃腸の働きが鈍くなったりして、下痢をしやすくなります。
ストレスの原因はさまざまですが、よくあるのは、引っ越し・来客・騒音・運動不足など。
留守番の時間を短くする、散歩を増やす、落ち着ける環境を作る、遊ぶ時間を増やすなどし、ストレスを軽減させましょう。
あくびをする、頻繁に体を掻いたり舐めたりする、皮膚を掻きむしるなどは、よくある犬のストレス行動です。
愛犬にストレス行動がみられるかどうか観察し、できる範囲で対処してあげてください。
誤飲や誤食に気をつける
破片や雑草、中毒性のあるものなどを誤飲誤食すると下痢になりやすいので、飼い主さんが気をつけましょう。
家の中はもちろんのこと、拾い食いや、ほかの動物の排泄物からウイルスなどに感染することもあるため、散歩中も注意してください。
道端の雑草は、除草剤がかけられていることもあれば、動物の糞尿が付いていることもあります。飼い主さんが気づかない内に口にすることがないようにしましょう。
体が冷え過ぎないようにする
体が冷えると下痢をすることがあるので、冷えないように環境を整えてあげましょう。
犬は寒さに強いので冷えて下痢をすることは少ないですが、チワワ・ダックスフント・パグなどの小型で短毛種の犬は、体が冷えやすい傾向があります。
また、老犬は代謝や筋肉量が減ることで、体温が下がりやすいとされます。
寒い季節だけではなく夏場も注意。エアコンを付けることで下痢をすることもあるので、暖房やエアコンの温度調整などをして冷え過ぎないようにしてあげましょう。
お尻まわりを綺麗にする
泥便や水っぽい便はお尻まわりに付きやすいので、洗ったり小まめに拭いたりしてあげましょう。
衛生的にも良くありませんし、そのままにしておくと皮膚が炎症を起こして肌がただれてしまうことも。
犬が下痢をした原因が感染症などの場合、多頭飼いだとほかの犬が感染することもあるので、なるべく清潔にしてあげてください。
犬の下痢を治す方法は原因によってさまざま
犬が下痢で、元気や食欲ありの場合、一過性であることが多いです。その場合は、食事やストレス、冷えなど、生活全般を見直しましょう。
病気や感染症などが原因の場合は、動物病院で治療を受ける必要があります。何日も続く、便の色がおかしい、嘔吐や発熱など、ほかの症状があれば早めに診察を受けるようにしてください。