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2026.03.04

猫の呼吸が早い原因と対処法|寝ている時に早いのは?お腹が動くのは?

猫の呼吸が早い原因と対処法_早い原因と対処法

愛猫の呼吸がいつもより早いと心配になりますが、「猫の呼吸が早いと危険」というわけではありません。

あくまで状況や症状によるので、慌てずに様子を見ながら対処してください。

その場でできる対処法、動物病院に行くべきサインなど、愛猫のために知っておきましょう。

 

猫の呼吸が早いよくある原因4つ

猫の呼吸が早い原因と対処法_飼い主がすべき対処法

猫の呼吸が早くなる原因はさまざまです。

その他の症状や状況などもふまえ、愛猫の呼吸が早い原因を探っていきましょう。

 

呼吸器系の病気

肺・鼻・喉などの呼吸器官が病気になると、呼吸に異変が起こりやすいです。

よくあるのは、猫喘息や肺炎、猫風邪など。

呼吸器に炎症が起きたり狭くなったりすると呼吸がしにくくなり、息苦しさから呼吸が早くなります。

症状は病気によっても異なりますが、呼吸が早くなるだけではなく、呼吸時の音がおかしい、息切れ、発熱や食欲不振、鼻水や咳などが現れやすいです。

 

心臓系の病気

心臓はポンプ機能の役割があるため、病気になると呼吸がしにくくなることがあります。

ポンプ機能が低下すると血液がうまく流れなくなり、胸や肺に水が溜まり、呼吸がしにくくなるという流れ。

心臓系の病気の中でも猫に多いのが肥大型心筋症です。

これは心筋が厚くなることで心機能が低下する病気。

初期はほとんど症状がありませんが、進行するにつれて呼吸が早くなり、呼吸が苦しそう、後ろ足の麻痺、食欲低下などが起こりやすいです。

 

熱中症

猫が熱中症になると、呼吸が早くなったり口呼吸したりすることがあります。

人間は暑いと汗をかいて熱を放出しますが、猫は肉球などの一部しか汗をかけません。

その代わりに、呼吸を早くすることで体内の熱を逃がそうとします。

猫の快適な温度は21~28度で、30度を超えると危険だとされます。

夏場はもちろん、冬も暖房がききすぎて暑くなり熱中症になることがあるので注意が必要。

その他、意識が朦朧としてぐったりする、肉球や耳が熱いなどの症状が見られやすいです。

 

ストレス

不安や恐怖などを強く感じると、心拍数が増加して呼吸が早くなることがあります。

猫だけではなく人間もそうですが、大きなストレスを感じると交感神経が刺激されます。

何かあれば逃げられるように酸素を多く取り込もうとし、いつもより呼吸が早くなるという仕組みです。

その他、過度なストレスを感じると、瞳孔が開いたり、ゴロゴロと喉を鳴らしたりすることも。

喉を鳴らすのはリラックス時によく見かけますが、痛みや強いストレスを感じているときも、自分を落ち着かせるためにすることがあります。

ネガティブな意味合いのゴロゴロは、いつもより大きな音で低音、無表情であることが多いので、普段と比べてみましょう。

 

猫の呼吸が早いときに飼い主がすべき対処法

猫の呼吸が早い原因と対処法_なるべく早く動物病院に行くべき危険サイン

愛猫の呼吸が早いとき、すぐに病院に行けないことや、一時的に呼吸が早くなっているだけの場合もあります。

最終的に動物病院に行くにしてもまずは飼い主さんが対処しましょう。

 

涼しくて静かな環境で様子を見る

猫の呼吸が早いときは、まずは涼しくて静かな環境で様子を見ましょう。

運動後や、暑い場所にいたりストレスを感じたりすると、一時的に呼吸が早くなります。

リラックスすれば呼吸が戻るため、運動を止めさせたり、来客と引き離したり、クーラーを付けたりと、状況に合わせて対処。

愛猫が落ち着ける涼しい場所でゆっくりさせましょう。

猫の呼吸が早くても、健康に異常なしの場合はゆっくりさせれば数分でおさまるため、10分ほど様子を見るようにしてください。

 

呼吸がしやすい楽な姿勢をさせる

猫の呼吸が早いときは、呼吸がしやすい楽な姿勢をさせてあげましょう。

どんな姿勢を好むかは猫によっても違いますが、うつぶせや横向きで、少し頭が高いと呼吸がしやすいです。

頭や顎の下あたりにタオルなどを敷き、少し頭を高くして寝かせましょう。

ただし、嫌がるなら無理にさせる必要はないので、好きな姿勢をとらせてあげてください。

水を飲ませたり抱っこしたりすると負担になりやすいため、できるだけ構わないようにしましょう。

 

なるべく早く動物病院に行くべき危険サイン

猫の呼吸が早い原因と対処法_よくある原因4つ

猫の様子や状況によっては様子を見てもいいですが、明らかにおかしいときはできるだけ早く動物病院へ行きましょう。

 

1分間に40回以上も呼吸する

猫の呼吸数が多いときは注意が必要です。

一般的な1分間の呼吸数は、寝ている時は15~25回、安静時は20~40回ほど。

まったりと安静に過ごしているのに1分間で40回以上も呼吸をするときは要注意、60回以上は危険な状態だとされます。

運動後や興奮時は呼吸が早くなりやすいので、寝ている時や安静時に数えましょう。

呼吸をすると胸やお腹が動くので、何回動いたかを数えると分かりやすいです。

とくに高齢猫は病気リスクが高いので、呼吸が早いときはなるべく早く診察を受けてください。

(健康猫の)平均睡眠時呼吸数は一貫して<30回/分であった
引用:Sleeping and resting respiratory rates in healthy adult cats and cats with subclinical heart disease

 

口を開けて呼吸する

猫が口呼吸をしているときは緊急性が高いです。

通常は鼻呼吸をしますし、犬のように口を開けたり舌を出したりしてハアハアと口呼吸することはほとんどありません。

呼吸が早く、口呼吸をしていて苦しそうなときは、呼吸器や心臓の病気、熱中症などが考えられます。

命の危険があるため、安静にさせつつ動物病院で対処してもらいましょう。

 

呼吸のたびにお腹が大きく動く

呼吸にあわせて猫の体が大きく揺れたり、大きく波打ったりするのは危険な状態です。

呼吸のときにお腹が動くのは普通のことですが、いつもより明らかに大きく早く動く時は、努力呼吸をしている可能性があります。

努力呼吸とは、呼吸困難に陥り全身を使って呼吸している状態。

原因は心臓や肺の病気、胸水・腹水などさまざまで、命に関わる状況だといえます。

 

舌や歯茎の色がおかしい

猫の舌や歯茎の色がおかしいときは動物病院に連れて行きましょう。

健康な猫の舌や歯茎は、薄いピンク色をしています。青や紫、白っぽくなっているのは、いわゆるチアノーゼと呼ばれる状態。

重度の酸素不足によって、粘膜の色が変色しています。

心臓や呼吸器の疾患、貧血、熱中症、極度のストレスなどのときに見られやすく、緊急事態なので、すぐに診察を受けてください。

 

よだれが出ている

猫の呼吸が早く、よだれが出ているのは危険サインです。

健康な猫でも、リラックス時や空腹時に透明でさらさらのよだれを出すことがありますが、

その場合は、量が少なく時間が経てば止まります。

一方で、大量に出る、ゼリー状や泡状のよだれが出るときは、

強いストレスや口腔内の炎症、誤飲や中毒、てんかん発作などが疑われます。

呼吸も早いのであれば、心臓や呼吸器疾患、熱中症なども考えられるので、早めに対処しましょう。

 

元気や食欲がない

猫の呼吸が早くて、元気や食欲がないときもすぐに動物病院へ行きましょう。

元気や食欲は猫の健康状態を表すパラメーター。

じっとしていて何も食べないのであればその時点で何らかの異常が考えられます。

その上で呼吸が早いのであれば、病気や熱中症などの可能性があります。

急にぐったりしたり痙攣を起こしたりと、他の症状が現れたり悪化することもあるので、なるべく早めに検査を受けましょう。

 

呼吸が早い状態が続く

これといった症状がなくても、呼吸が早い状態が続くのであれば注意が必要です。

たとえ元気や食欲があったとしても、念のために1度は検査を受けてください。

先天性の心臓疾患や呼吸器の病気がある場合は、生まれつき呼吸が早いことも。

先天性であれば継続して呼吸が早い状態が続き、治らないこともありますが、症状を緩和できるケースもあります。

健康な猫であれば呼吸が早い状態が続くことはないため、過信せずに診察を受けましょう。

 

まとめ

猫の呼吸が早い原因は、病気や熱中症、ストレスなどさまざまです。

運動や興奮などで一時的に早くなるだけなら問題ありませんが、他の症状があったり継続したりするときは注意。

冷静に対処しつつ、危険度が高いときはすぐに動物病院へ行きましょう。

 

 

西明石こすもす動物診療所「小川篤史獣医師」

監修者
獣医師 小川篤史

明石市・西明石の動物病院「こすもす動物診療所」院長
(宮崎大学農学部獣医学科卒業・明石市獣医師会所属)


兵庫県加古川市の動物病院に勤務後、兵庫県明石市に「こすもす動物診療所」を開院。
犬や猫、小動物を中心に診療・予防医療を行う。