フードローテーションとは、2種類以上のドッグフードを与える食事方法です。
どんなフードをローテーションしていくのかは愛犬によっても異なりますが、やり方を間違えると、体調を崩す原因になることも。
愛犬の健康のために行うものなので、基本的なルールややり方、切り替え期間などを頭に入れておきましょう。
フードローテーションのメリット4選
1種類のフードをずっと与え続けているほうが飼い主さんは楽ですよね。
ではなぜフードローテーションをする人がいるのかというと、いくつかのメリットがあるからです。
試すかどうか、メリットを見て判断しましょう。
①さまざまな栄養が摂れる

長期的にみると、同じものを食べ続けるよりもフードローテーションをした方が、さまざまな栄養が摂れます。
総合栄養食のドッグフードは、犬の体に必要な栄養がすべて含まれていますが、使われている素材や成分はそれぞれ異なります。
腎臓や胃腸のサポート効果がある成分、被毛や肌を健やかに保つ成分など、プラス効果があるドッグフードも。
数種類のフードをローテンションすることで、さまざまな栄養が摂れるメリットがあります。
②食への楽しみが増える

犬の味覚はそこまで優れていません。
味覚を感じる「味蕾細胞」が人間の舌には約7,000個あるのに対して、犬の舌には約1,700個しかないため、犬は人間と比較して味覚の感度が低いとされています。
ヒトの味蕾の数が約7,000であるのに対して犬では約1,700、猫では500以下とヒトと比較してその数は劣る
ー犬と猫の嗜好性
同じものを食べ続けても飽きないといわれますが、定期的にフードを替えることで、風味や食感、舌触りが変わり、犬の嗅覚や味覚を刺激することが可能に。
犬にとって食べることは楽しみのひとつですが、同じドッグフードばかりだとワンちゃんによっては飽きてしまう場合も。
フードローテーションを取り入れることで、食べる意欲がアップしやすく、食べることへの楽しみが増えやすくなります。
③食物アレルギーのリスクを減らす

フードローテーションは、食物アレルギー対策になるとされます。
食物アレルギーとは、食べ物に含まれるアレルゲンに反応し、皮膚のかゆみ、嘔吐、下痢などを引き起こすもの。どんな食べ物に反応するのかは個体差が大きいですが、牛肉、鶏肉、乳製品、小麦、添加物などが原因になることが多いです。
それぞれ許容量があり、その量を超えるとアレルギー反応が出るといわれますが、フードローテーションをすれば、同じものだけを食べ続けることはありません。
定期的に別のフードに切り替えることで、食物アレルギーの発症を防ぎやすくなるとされます。
④何かあったときのトラブルに対応しやすい

数種類のドッグフードをローテーションしていれば、何かあったときに対応しやすいです。
たとえば、製造中止や工場トラブルで商品が販売されなくなったときや、犬のわがままで急にフードを食べなくなったときなど。1種類しか与えていないのであれば別のフードを急いで探すしかありませんが、2種類以上を与えていればひとまず安心です。
また、自然災害などが起こった場合は、選択肢が限られてくることも。
普段からフードローテーションを取り入れていれば、新しいフードへの切り替えもスムーズにいきやすいです。
愛犬の体に配慮!フードローテーションの基本とポイント
フードローテーションは、ただ順番にフードを与えれば良いわけではありません。基本やポイントを抑えておきましょう。
①フードローテーションに使うフードを選ぶ

2~3種類のフードをローテーションすることが多いため、現在与えているものにプラスして、追加で1~2種類を選びましょう。
総合栄養食であることはもちろんですが、対象年齢と対象犬種、粒の大きさなど、愛犬に適しているかどうかは必須です。
主原料は、牛肉、鶏肉、ラムなど、さまざまあります。栄養やアレルギー、味を変えるためにローテーションすることが多いため、チキン・ラム・ビーフなど、異なる主原料を選ぶのが一般的です。
あとは、原材料や添加物、メーカー、コスパなども含めて最終的に選びましょう。
②少しずつ新しいフードの比率を増やして慣れされる

ドッグフードをころころ変えると、犬の胃腸に負担をかけてしまいます。ローテーションするときも、急に新しいフードに替えるのは良くないため、少しずつ割合を増やしましょう。
最初は旧フード9割ほど、新フードを1割ほど混ぜて与えます。7割と3割、5割と5割など、少しずつ割合を増やしていき、1~2週間ほどかけて完全に新フードに切り替えます。
切り替え中は、下痢や嘔吐などの異変がないか、犬の様子をしっかりチェックしてくださいね。
もし異変があれば中断し、もとのフードに戻すようにしてください。
どちらが向いているか考えよう!
フードローテーションの実際のやり方
フードローテーションは「この方法でするべき」という決まったやり方はありません。
その犬に合っていればどのようなローテーション方法でも正解ですが、ここでは主な2つのパターンを紹介していきます。
やり方①数ヵ月ごとにローテーションする

2~3ヵ月ほどのペースでフードをローテーションするやり方です。頻繁に替えると胃腸に負担がかかるため、1種類のフードを2~3ヵ月の期間与え、次のフードに切り替える方法。
3種類でローテーションする場合は、
Aフード→Bフード→Cフードと、それぞれ2ヵ月~3ヵ月ずつ与えましょう
別のフードに切り替えるたびに、少しずつ次のドッグフードの比率を増やし、慣れさせてから完全に切り替えてくださいね。
やり方②朝晩でローテーションする

朝と晩でローテーションするやり方です。
この場合、朝から夜にかけては活動量が多いため、
●朝はタンパク質が豊富で腹持ちが良いフード
●夜は、消化が良く、胃腸に優しいフードを選択する
など生活に合わせたフードを選択するのがおすすめです。
ただし、朝晩で違うドッグフードを与えても良いのは、すでに慣れているフードが2種類以上ある場合のみです。
体調を崩したり、胃腸に負担を与えたりしないことが分かっているときだけ可能な方法だと考えましょう。
フードローテーションを始める前に知っておくべきこと
フードローテーションは、全ての犬に必ずプラスになるというわけではありません。
合うかどうかがありますし、獣医師によっても意見が違うこともあるので、よく理解しておきましょう。
成犬になってからローテーションを始める

子犬は胃腸や消化器官が発達しきっていないため、フードを切り替えると下痢などのトラブルを起こしやすいです。
小型犬や中型犬は12ヵ月、大型犬や超大型犬は18ヵ月からが成犬だとされます。
子犬はまだ成長段階のため、成犬になってからフードローテーションを取り入れましょう。
フードローテーションは不要との声もある

フードローテーションはいくつかのメリットがありますが、不要との声もあります。
さまざまな栄養が摂れるのはフードローテーションのメリットの1つですが、そもそも総合栄養食は必要な栄養が含まれているため、必要ないとの意見があります。
また、同じものを食べ続けないことでアレルギー対策になることもメリットの1つですが、ローテーションしたフードでアレルギーになるかもしれないとの意見も。
獣医師でも見解が分かれるため、どちらが正しいのかは分かりません。どちらの意見も理解したうえで、飼い主さんが総合的に判断しましょう。
まとめ
フードローテーションをするときは、愛犬に無理をさせないようにしましょう。
少しずつ与えて慣れさせ、体調に異変がないか確認するのが基本です。
一般的に、開封したドッグフードの賞味期限は1ヵ月ほど。
酸化が進むため、ジッパータイプの袋で保存したり、食べきれるサイズで購入したりして、対策しながらフードローテーションしてくださいね。
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